空き家の水道・電気・ガスは止めるべき?解約・維持・再開の判断方法
空き家管理ガイド|最終確認:2026年10月30日
空き家の水道・電気・ガスは、誰も住まなくなった日に全部解約するのが正解とは限りません。通水・掃除・防犯・内覧に何が必要かを確認し、使わない契約から整理しましょう。
まず結論
水道は管理、電気は設備、
ガスは使用予定で決める。
水道:定期的な通水や清掃を続けるなら維持を検討。
電気:防犯設備・給湯器の凍結防止・内覧等に必要なら維持を検討。
ガス:給湯・調理・暖房を使わないなら使用中止を検討。
「契約を残すこと」と「水や電気を使い続けること」は別です。漏水や機器の異常がある場合は、節約の比較より先に点検・修理を手配します。
蛇口・トイレ・排水口の確認、清掃で使う予定を整理。
防犯カメラ、給湯器、ポンプなどを確認。
利用予定と再開時の立会いを確認。
相続した実家の方針そのものが決まっていない方は、空き家の売却・管理・活用・解体を比較する総合ガイドから確認できます。このページでは、ライフラインの停止・維持・再開に絞って解説します。
空き家の水道・電気・ガスは止めるべき?判断早見表
次の表は、設備に異常がなく、安全に管理できることを前提とした目安です。建物の状態や契約条件によって判断は変わります。
表が収まらない場合は左右にスクロールできます →
| ライフライン | 維持を検討 | 停止を検討 | 止める前の確認 |
|---|---|---|---|
| 水道 | 定期的な通水・清掃・トイレ利用・工事がある | 水を使わず、排水口・配管・冬季対策を別に決められる | 漏水、元栓、水抜き、再開手続き |
| 電気 | 防犯設備、凍結防止、ポンプ、内覧・清掃に必要 | 通電が必要な設備がなく、当面使わない | 給湯器・浄化槽等の扱い、再開日 |
| ガス | 給湯・暖房・調理・設備確認で実際に使う | ガス機器を使う予定がない | 契約先、閉栓、再開時の立会い |

空き家の水道|通水・清掃をするなら維持を検討
定期的に家を訪れて通水や清掃をするなら、水道を使える状態にしておくと管理しやすくなります。台所・洗面台・浴室・トイレなどは、それぞれ確認が必要です。
排水口の「封水」が減ると、臭いや虫の侵入経路になる
排水トラップには、下水側の臭いや虫の侵入を抑えるために水がたまっています。これが封水です。長く使わないと蒸発するため、空き家では水回りを定期的に確認します。
東京都住宅政策本部の空き家管理の案内にも、通水や排水口への注水、水道メーターによる漏水確認が示されています。訪問間隔は季節や室内環境に合わせて調整し、月1回訪問すれば必ず十分、と一律には考えないことが大切です。
元栓を閉めることと、水道契約の中止は別
宅内の元栓を閉めても、水道の使用中止手続きにはなりません。料金を止めたい場合は、水道事業者への届出が必要です。契約を残して不在中だけ止水する場合も、給湯器や自動給水設備に影響がないか確認してください。
- 水を使った後:蛇口を閉め、床・配管の水漏れとメーターの動きを確認する。全ての水使用を止めてもメーターが動く場合は漏水等を疑う。
- 漏水が疑われるとき:安全に止水できる場合は止水し、水道事業者や指定工事事業者等へ相談する。
- 水道を止めるとき:排水口の封水をどう維持するか、清掃をどう行うかを管理担当者と決める。
元栓を閉めるだけでは、凍結対策は完了しません
配管や給湯器の内部に残った水が凍るおそれがあります。水抜きの要否・方法は機器や地域によって異なるため、取扱説明書や施工業者の案内を確認してください。
空き家の電気|ブレーカーを落とす前に設備を確認
電気を解約する前に、「止めると機能しなくなるもの」を一覧にします。防犯カメラだけでなく、インターネット機器、警報設備、ポンプ、給湯器の凍結防止なども対象です。
- 防犯カメラ・通信機器・見守り機器
- 給湯器や配管の凍結防止設備
- 井戸・排水等のポンプ、浄化槽のブロワーなど
- 清掃・内覧・工事に使う照明、コンセント
浄化槽等は、単に電源を切るだけでよいとは限りません。休止の扱いと必要な作業を、保守点検業者や自治体に確認します。
ガスを止めても、給湯器の電源確認は必要です
大阪ガスは、ガス給湯器の電源プラグを抜くと凍結予防ヒーターが作動しなくなると案内しています。電気を解約・遮断する場合は、取扱説明書に従う水抜きなどの対策を先に確認しましょう。機種によって必要な水・ガス・電気の条件は異なります。
契約を残す場合でも、不要な家電は電源を切り、ほこりや配線の傷みを点検します。雨漏りで濡れた設備や異常のある回路を無理に通電しないでください。必要な回路を判断できない場合は、電気工事業者に確認します。
また、ブレーカーを切っても電気契約は解約されません。再び使うときも、電気がつくかどうかと契約手続きは別です。関西電力は、ブレーカー操作で電気が使える場合も使用開始の手続きが必要と案内しています。
空き家のガス|使う予定がなければ使用中止を検討
空き家でお湯・暖房・調理を使わないなら、ガスは使用中止を検討できます。ただし、冬季の給湯器対策や今後の設備確認まで含めて決めます。都市ガスは契約先、LPガスは供給している販売店に連絡してください。
閉栓と開栓では、立会いの条件が違う
大阪ガスの場合、使用開始時はガス漏れ検査や安全説明のため立会いが必要です。使用中止時は、作業員だけでメーターまで入れるかによって立会いの要否が変わります。遠方の空き家では、代理人が立ち会えるかも予約時に確認しましょう。
再開時に給湯器の点火・作動を確認するため、ガスの開栓日までに水道と電気を使える状態にすると段取りがしやすくなります。水道と電気のどちらを先にするかが一律に決まっているわけではありません。
出典:大阪ガス 開栓時の立会い/閉栓時の立会い/ガス開栓・停止の手順
元栓を閉めるだけでは使用中止になりません。メーター・容器・配管の撤去や供給再開は自己判断で行わず、事業者に依頼してください。
空き家の水道光熱費|使わなくても料金はかかる?
使用量がゼロでも、契約や料金体系によって基本料金・最低料金等が発生します。水道は自治体・口径、電気やガスは契約先・料金メニューで異なります。「空き家なら月額いくら」と全国一律の金額では判断できません。
例えば豊中市は、使用中止の連絡がなければ、水を使っていなくても基本料金がかかると案内しています。直近の請求明細から、使用量に関係なくかかる部分を確認しましょう。
費用の比較例|実際の料金相場ではありません
月3,000円 × 12か月 = 年36,000円
同じ条件が5年続くと 180,000円
これは、水道・電気・ガスの維持費合計を月3,000円と仮定した計算例です。実際には使用量、料金改定、再開時の点検・工事、現地までの交通費も加味します。
停止・再開に伴う費用の有無、契約解除料やセット割への影響も契約先に確認します。通常の使用開始と、料金未払いによる供給停止からの再開は別の手続きなので、案内を取り違えないようにしましょう。
光熱費だけでなく、税金・保険・管理・修繕まで含めて考えたい方は、空き家の維持費を5年間で試算する記事へ。建物全体の維持費とライフライン費を二重に足さないよう注意してください。
管理・売却・解体|空き家の状況別に判断する
表が収まらない場合は左右にスクロールできます →
| 今後の予定 | 契約の考え方 | 先に決めること |
|---|---|---|
| 定期管理を続ける | 通水用の水道、設備に必要な電気を検討。ガスは実際の利用次第。 | 訪問時の作業・使用後の止水・異常時の連絡先 |
| 売却・内覧を進める | 清掃、照明、設備確認に必要な契約を確保。 | 最終清掃日、設備確認日、引渡し日 |
| 長期保有・利用未定 | 不要な契約の停止を検討し、管理は継続。 | 封水・防犯・冬季対策と次の見直し時期 |
| 解体を予定 | 事業者による停止・撤去と、工事で使う水等を区別。 | 解体業者との散水用水・電源・配管撤去の調整 |
スペースグリーンの視点|最後に使う日から逆算する
売却予定の空き家は、「もう住んでいない日」よりも片付け・清掃・設備確認が全て終わる日を基準に考えると、停止と再開の手戻りを減らせます。
例えば、退去後に家財撤去、その後に清掃・内覧を予定している場合、清掃前に水道と電気を止めると、再開手続きが必要になることがあります。契約ごとに最後の利用日を確認しましょう。
家財が残る家は、家財が残ったままの空き家を売る方法も参考になります。売却が決まっていても、買主が電気や水道を使えるとは限らないため、切替日と手続き担当者を仲介会社と共有します。
停止・再開の手順|空き家の引継ぎチェックリスト
- 次に使う予定を確認する。管理、清掃、内覧、工事、引渡しの日程を並べる。
- 必要な設備を確認する。給湯器、防犯設備、ポンプ等の電源・給水条件を調べる。
- 契約情報を集める。使用場所、契約名義、使用者・お客さま番号、請求明細、連絡先を控える。
- 事業者に申し込む。停止・再開希望日、立会い、費用、必要日数を確認。相続後は名義・支払方法の変更も相談する。
- 作業後の状態を共有する。完了日、メーター、元栓・ブレーカー、鍵の管理者と次回訪問日を記録する。
家族・管理会社に残す「5つのメモ」
- 水道・電気・ガスの契約先と現在の契約状況
- 止めた日/再開予定日/手続きをする人
- 通電・給水を続ける必要がある設備
- 水抜き等の実施状況と業者の連絡先
- 次の管理日と、漏水・機器異常の際の連絡先
メーターや分電盤の写真を添えると共有しやすくなります。お客さま番号などの契約情報は、関係者だけで管理してください。
申込みは「行く当日」ではなく、予定が決まった時点で
豊中市の水道使用開始・中止は、公式案内では1か月前から土日祝を除く3営業日前までが申込み期間です。関西電力の電気開始・停止は、原則として30日前から前日までと案内されています。受付期限・設備条件は事業者ごとに違うため、遠方から訪問する前に手続き完了を確認してください。
出典:豊中市「水道使用開始と中止」/関西電力の手続き案内。他の地域・契約先では各事業者の案内をご確認ください。
空き家の水道・電気・ガスでよくある質問
Q. 空き家のライフラインは全部解約してもいいですか?
使う予定がなく、必要な管理・凍結対策・設備の休止対応を取れる場合は検討できます。ただし通水、防犯機器、給湯器の凍結防止等に必要な契約まで一律に止めないよう、設備ごとに確認します。
Q. 水道を止めた空き家でも管理を頼めますか?
外観・郵便物・庭木等の確認はできます。一方、蛇口からの通水には水道が使える状態が必要です。水を止めていることを管理会社へ伝え、可能な作業と封水の管理方法を決めてください。
Q. 元栓やブレーカーを閉めれば料金も止まりますか?
原則として別の話です。元栓やブレーカーの操作だけでは契約の使用中止・解約になりません。料金の停止条件と最終精算を各事業者に確認します。
Q. ガスを解約したら、給湯器のコンセントも抜いてよいですか?
一律に抜くのは避けてください。給湯器の凍結防止機能が使えなくなる場合があります。電気を止めるときは取扱説明書に従う水抜きなどを先に確認し、不明な場合はメーカーや施工業者に相談します。
Q. 相続して契約者が亡くなった場合はどうしますか?
請求明細等から契約先を調べ、死亡した契約者の名義であることを伝えて、使用継続・名義変更・解約に必要な手続きを確認します。管理を続ける場合は、家族の連絡窓口と支払い担当を決めましょう。
Q. 売却する空き家はいつ水道・電気・ガスを止めますか?
清掃・家財撤去・設備確認の最終日と引渡し日を基準に、仲介会社を通じて買主側と調整します。買主側の使用開始手続きと売主側の停止手続きが食い違わないよう確認してください。
空き家の管理・維持費・売却をまとめて考える
ライフラインを整理しても、空き家の見回り・換気・庭木・雨漏り等の管理は続きます。国土交通省も、当面活用や除却ができない空き家には適切な管理が必要と案内しています。今すぐ売るか決められない場合も、次の管理日と方針を見直す時期を決めておきましょう。
空き家の管理、何を残せばよいか迷ったら
「水道を止めている」「遠方で通えない」「まだ売るか決めていない」。今の状態から、必要な管理と今後の進め方を一緒に整理します。
空き家管理・売却について相談する具体的な対応内容は、スペースグリーンの空き家管理・見守りサービスをご確認ください。設備工事やガスの開閉栓等は、各事業者・専門業者の対応範囲になります。
本記事は2026年10月30日に確認した公的機関・事業者の案内に基づく一般的な判断ガイドです。料金・申込期限・立会い・設備操作は契約先と機種により異なります。個別の設備状態に応じた判断は事業者等に確認してください。
