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茨木市の空き家率は9.1%|2023年統計と中央・丘陵・南部・北部の地域差

情報確認:2026年9月22日 | 国の住宅統計:2023年/市の実態調査:2023年度

茨木市の空き家率は、2023年(令和5年)住宅・土地統計調査で9.1%です。住宅総数140,100戸に対し、空き家は12,780戸。賃貸住宅の空室なども含む、市全体の住宅ストックを捉えた数字です。

出典:茨木市「第2期茨木市空家等対策計画」第2章(掲載14ページ)

茨木市で実家を相続した方からは、「売るべきか、しばらく残すか」「庭付きの家を貸すなら、どこまで直してから募集するか」といった迷いが出てきます。空き家率は地域の状況を見る手がかりにはなりますが、一軒の家の売りやすさや活用の余地まで、この数字だけでは分かりません。 そこで、市の計画や統計資料を読み比べながら、2018年からの変化、国の統計と市の実態調査の違い、中央・丘陵・南部・北部の地域差を見ていきます。後半では、実際の家を考えるときに確認したい道路・建物・名義・費用にも触れます。
茨木市の空き家率9.1%
茨木市の空き家戸数12,780戸
この数値の調査年2023年
この記事の要点
  • 茨木市の空き家率は2023年時点で9.1%。大阪府・全国より低い水準です。
  • 市の実態調査では、中央・丘陵・南部・北部で空家等の割合に差があります。
  • ただし、実際の売却や活用は、接道・敷地・建物状態・名義・費用を一軒ずつ確認して判断します。

国の住宅・土地統計調査は標本調査で、上記は2023年10月1日時点の推定値です。2026年現在の空き家を全件数えた結果ではありません。

出典:大阪府「令和5年住宅・土地統計調査 大阪府の結果概要」

目次

茨木市の空き家率は9.1%|大阪府・全国より低い水準

2023年住宅・土地統計調査に基づく比較
地域 空き家率
茨木市 9.1%
吹田市 12.0%
大阪府 14.2%
全国 13.8%

出典:吹田市公表資料「空き家率」(2023年住宅・土地統計調査) / 大阪府「令和5年住宅・土地統計調査 大阪府の結果概要」

茨木市の計算:12,780戸 ÷ 140,100戸 × 100 ≒ 9.1%。比較する際は、調査年と空き家の定義をそろえる必要があります。

空き家全体は減少。一方で、使い道の決まらない家はほぼ横ばい

茨木市の空き家の変化(2018年・2023年)
項目 2018年 2023年
空き家率 10.9% 9.1%
空き家総数 14,690戸 12,780戸
市が「使用目的のない空家」と整理する住宅 3,710戸 3,730戸

出典:茨木市「第2期茨木市空家等対策計画」第2章(掲載14ページ)

公表された空き家率は5年間で1.8ポイント低下しています。ただし、空き家全体が減ったことと、使い道が決まらない家の課題が解消したことは別です。

ここでいう「使用目的のない空家」は、市の計画上の呼び方で、国の統計の「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」に当たります。これらも、すべてが危険な建物という意味ではありません。

出典:茨木市「第2期茨木市空家等対策計画」第2章(掲載12〜14ページ) / 大阪府「令和5年住宅・土地統計調査 大阪府の結果概要」

数字から考えたいこと 空き家率が下がったからといって、個々の空き家の管理負担がなくなるわけではありません。次に使う予定があるのか、それまで誰が管理するのか。この2点が決まっていると、当面の管理方針を立てやすくなります。

12,780戸には、入居者を募集している住宅も含まれる

2023年の内訳では、賃貸用の空き家が8,350戸と最も多くなっています。統計の「空き家」は、誰も管理していない戸建てだけを指す言葉ではありません。

出典:茨木市「第2期茨木市空家等対策計画」第2章(掲載14ページ)

賃貸募集なら見るべきは募集条件や修繕範囲。相続した実家なら、先に名義や家族の意向を整理する必要があります。同じ「空き家」でも、置かれている状況によって確認する順番は違います。

市の実態調査では1,204件・2.5%|国の9.1%とは別の指標

茨木市の2023年度の現地調査では、空家等は1,204件。市が算定に用いた推定住宅件数47,765件に対する割合は2.5%です。

この調査は、建物の一部が使われている場合は空家等として扱わないなど、国の住宅統計とは対象と判定方法が異なります。また、市が把握した空家等には店舗・事務所・工場・倉庫なども含まれます。

出典:茨木市「令和5年度空家等実態調査報告書」(掲載2・6・13ページ)

9.1%と2.5%を、そのまま比べない 国の調査は住宅の空室を含む推定値。市の調査は独自の対象・基準による現地確認の結果です。「茨木市の空き家率が9.1%から2.5%に改善した」という意味ではありません。
本記事では、他市・府・全国との比較には国の住宅統計を、市内の地域差を見る際には市の実態調査を使い分けています。
築年数の経過した戸建て住宅のイメージ
茨木市の空き家を考えるためのイメージ画像です。特定の物件を示すものではありません。

茨木市内でも違いがある|中央・丘陵・南部・北部の空き家事情

以下は、市の実態調査に基づく4地域の内訳です。小学校区を目安に、地形などを踏まえて設定された地域区分であり、国の空き家12,780戸を地域に振り分けたものではありません。

スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

2023年度・茨木市実態調査の地域別状況
地域 空家等件数 算定に用いた 推定住宅件数 市独自の空家率
中央地域 675件 28,809件 2.3%
丘陵地域 246件 9,324件 2.6%
南部地域 162件 8,952件 1.8%
北部地域 121件 680件 17.8%
市全体 1,204件 47,765件 2.5%

出典:茨木市「第2期茨木市空家等対策計画」第2章(掲載10ページ)

この表の割合は市独自の指標です。全国・大阪府との比較表に掲載した9.1%とは分母が異なります。

件数が最多なのは中央地域ですが、割合が最も高いのは北部地域です。住宅件数の違いもあるため、「空き家が多い順=売れにくい順」と読むことはできません。

地域差は参考にしつつ、最後はその家の条件を見る

実際の相談では、地域名より先に「次に住む人がどう暮らせるか」を見ます。車を使うなら、駐車台数だけでなく敷地への出入りや普段の移動経路まで確認します。

高低差のある敷地なら玄関までの階段や擁壁、排水。庭のある家なら広さだけでなく手入れの負担。こうした点は、市全体の平均値からは見えてきません。

庭やゆとりのある敷地を、次の利用者に伝えるという視点

茨木市の空き家バンクでは、家庭菜園、ゆとりのある住まい、地域交流の場などを希望する利用者の情報も公表されています。これは利用希望の登録情報であり、地域全体の需要の大きさや成約を保証するデータではありません。

出典:茨木市「空き家バンク 物件情報、利用希望情報一覧」

空き家バンクの利用希望情報は需要統計ではありませんが、物件の見せ方を考えるヒントにはなります。「駅から何分」「築何年」だけでなく、庭で何ができるか、部屋をどう使えるか。数字では伝わりにくい部分も、次の利用者にとっては判断材料になります。

茨木市の地域差を個別の家に当てはめる前に確認する4点

実際の相談では、最初から「売る」「壊す」「全面改修する」と決めるより、次の4点から順に確認した方が選択肢を残しやすくなります。売却を急ぐ場合でも、当面は残す場合でも考え方は同じです。

1.道路と敷地|解体する前に、建て替えや利用の条件を調べる

敷地に接する道路の扱い、間口、境界、私道に関する権利などを確認します。建て替えを考える場合は、現在の建物と同じ規模・配置が可能かどうかも、行政窓口や建築士に確認してください。

土地が広い場合も、「複数に分けて売る案」と「建物と庭を一体で引き継ぐ案」では、必要な調査と費用が変わります。解体を先に決めると、建物を残して使う選択肢を自分で消してしまうことがあります。

2.建物|残せる部分と、調査・修繕が必要な部分を分ける

雨漏りの形跡、床や柱の状態、水回り、給排水・電気設備、耐震性などを確認します。「古いからすべて壊す」「売るために全部きれいにする」という二択ではなく、現状で引き継ぐ案も含めて比較しましょう。

建物の安全性を判断する調査と、不動産の価格査定は別です。安全上の不安がある場所には無理に立ち入らず、必要に応じて建築士などによる確認を行います。

3.名義と家族の意向|価格以外の希望も共有する

登記名義、相続手続き、共有者の有無を確認するとともに、「いつまでに整理したいか」「建物を残したいか」「今後の費用をどこまで負担できるか」を家族で共有しましょう。

まだ決められない場合は、当面の管理担当者、費用の分担、方針を見直す時期を決める進め方もあります。保留すること自体よりも、保留している間の役割が決まっていないことを避けたいところです。

4.費用|収入だけでなく支出も含めて確認する

売却を比べる際は、仲介手数料、測量、登記、家財の処分、必要な工事などについて、誰がどこまで負担する条件かをそろえます。借入金の返済や税金も含め、最終的に手元にいくら残るかまで見て比較します。
比較のための整理例 売却:売却代金 − 売却に伴う費用・税金・必要な返済

賃貸:家賃収入 − 空室の影響・修繕費・管理費・保有費用

方針を比較するための考え方であり、税務上の譲渡所得や不動産所得の計算式ではありません。

賃貸では、最初の改修費をどれくらいの期間で回収できそうかも考えます。家賃だけで判断せず、途中で修繕が必要になった場合も続けられる計画かを見ておきましょう。
長屋の再生後、白い壁と明るい木目の床で整えた室内
残せる部分を生かして再生建物を残す場合も、先に全面改修を決めるのではなく、次の使い方から必要な工事を考えます。
築50年の戸建てを改修している施工現場
工事費は「何に使うか」から逆算写真はいずれも当社の再生事例で、茨木市内の物件ではありません。 空き家再生・活用を見る →

個別の判断は専用ページへ

ここまでの数値は、茨木市全体や地域ごとの傾向を把握するためのものです。実際の一軒について「売る・残す・直す・管理する」を判断するときは、立地、道路、建物状態、名義、費用などを個別に確認する必要があります。

売却・買取・再生・管理は、それぞれ確認するポイントが違うため、詳しい内容は専用ページに分けています。

関連する制度・手続きは専門記事へ

相続登記・特定空家・税制は、空き家率とは別に要件を確認する必要があります。制度ごとに条件が違うため、詳しい内容はテーマ別の記事に分けています。

貸家の建物横の小さな空きスペースを活用した家庭菜園
「売る・貸す」だけでなく、小さな空きスペースにも活用の余地があります。写真は当社が貸家の一角を家庭菜園として活用した事例で、茨木市内の事例ではありません。 活用事例を見る →

茨木市の空き家バンク・耐震補助・市の活用事例

空き家バンクは、利用希望者との接点を増やす選択肢

茨木市は、空き家の物件情報と、買いたい・借りたい方の利用希望情報を公表しています。活用方法の希望も確認できるため、建物や敷地の特徴をどのように伝えるかを考える材料になります。

ただし、市は売買・賃貸借の交渉や契約に直接関与しません。登録すれば成約する制度ではなく、建物の状態、費用負担、取引条件などは別途確認が必要です。

出典:茨木市「空き家バンク 物件情報、利用希望情報一覧」

耐震改修・除却の補助は、契約前に対象条件を確認

茨木市には、一定の木造住宅を対象とする耐震設計・改修・除却の補助制度があります。建築時期や耐震性、所有者の所得などの条件があり、法人所有は対象外と案内されています。

特に注意したいのは、補助金の交付決定前に契約・着手すると対象外になる点です。空き家だから利用できると決めつけず、建物の資料をそろえて、契約する前に相談しましょう。

2026年9月22日に確認した市の案内では、申請期限は2027年1月29日、実績報告期限は2027年2月19日です。予定件数に達している場合もあるため、受付状況を市へ確認してください。

出典:茨木市「木造住宅の耐震設計・改修・除却補助制度について」

相続空き家を売却する際の3,000万円特別控除は、地域統計とは別の制度です。適用条件や期限は「空き家売却の3,000万円特別控除」専門記事で詳しく整理しています。

茨木市には、空き家を地域の場に生かした事例もある

市が2020年に公表した事例集には、空き家を利用したシェアハウスや、空き店舗を使った子育て支援拠点などが紹介されています。子育て支援の事例では、安全性に加え、音、自転車やベビーカーの置き場、周辺住民への配慮も課題として挙げられています。

出典:茨木市「空家活用事例集」(2020年)(掲載2〜3ページ)

茨木市が紹介する過去の活用事例であり、当社の実績ではありません。現在の営業・運営状況を示すものでもありません。

市の事例集を読むと、空き家活用は内装を整えるだけでは終わらないことが分かります。誰が使うのか、誰が管理するのか、近隣との関係をどう保つのか。運営まで含めて成り立つ形にできるかが重要です。

庭を楽しめる住まい、小さな仕事場、地域交流の場など、建物の特徴を生かせる使い方はあります。一方で、建築・消防上の条件や必要な改修は別途確認が必要です。「残すこと」だけを目的にせず、次の利用者が無理なく安全に使い続けられるかまで考えたいところです。

出典:茨木市「空家活用事例集」(2020年)(掲載1ページ・用途変更時の注意事項)

北摂の近隣市と比較したい方は、高槻市の空き家率9.6%と空き家対策もあわせてご覧ください。高槻市では「その他の空き家」の増加や戸建て空き家の特徴について整理しています。

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茨木市の空き家統計でよくある質問

Q.茨木市の空き家率は9.1%ですか、2.5%ですか?

どちらも公表資料に基づく数値ですが、調査の対象と方法が異なります。9.1%は2023年の住宅・土地統計調査による住宅全体の推定値、2.5%は茨木市が2023年度に独自の基準で行った実態調査の割合です。単純に「9.1%から2.5%へ減った」という比較はできません。

Q.北部地域の17.8%は、茨木市北部の家が売りにくいという意味ですか?

その意味ではありません。17.8%は市独自の実態調査で、北部地域の算定に用いた推定住宅件数680件に対する空家等121件の割合です。個別の不動産の需要や価格は、道路、立地、土地・建物の状態など別の条件で確認する必要があります。

Q.12,780戸は、管理されていない戸建てだけの数ですか?

いいえ。国の住宅・土地統計調査の空き家には、賃貸用・売却用の住宅や二次的住宅なども含まれます。茨木市では2023年の空き家12,780戸のうち、賃貸用の空き家が8,350戸とされています。

Q.一般的な手続きや相談について詳しく知りたい場合は?

一般的な手続きや判断については、空き家相談Q&A、相続登記義務化の記事、3,000万円特別控除の記事など、テーマ別の記事で詳しく解説しています。

茨木市の空き家率9.1%は、地域傾向を知るための数字

9.1%という数字は、茨木市全体の傾向を見るには役立ちます。ただ、相談の現場で最後に見るのは一軒ごとの条件です。駅からの距離、接道、庭、建物の傷み、名義、そして所有者の希望。そこまで見て初めて、「売る」「残す」「直す」「管理する」の比較ができます。

スペースグリーンでは、「いくらで売れるか」だけでなく、「この家をこれからどうしていくか」からご相談を承ります。茨木市のご実家や相続した空き家についても、現状の整理からお手伝いします。
ご相談内容の記入例 茨木市〇〇町の実家を相続しました。現在は空き家で、室内に荷物が残っています。売却と賃貸で迷っており、庭の管理も心配です。まず、必要な確認と費用の考え方から相談したいです。

北摂の地域別データ: 豊中市の空き家率13.7%・地域別実態 / 吹田市の空き家率12.0%・市内実態

本記事は2026年9月22日に確認した公表資料を基に作成しています。統計の調査年と記事の確認日は異なります。制度・補助金・サービス条件は変更される場合があります。税務は税理士・税務署、登記は司法書士・法務局、建築・用途変更の可否は行政窓口・建築士等へ個別にご確認ください。

執筆・内容確認

株式会社スペースグリーン 代表取締役 西本 圭

宅地建物取引士

豊中市を拠点に、空き家や相続不動産の売却・活用・管理のご相談をお受けしています。不動産売買仲介・管理・土地活用の実務経験をもとに、制度だけでなく「その家をこれからどうしていくか」という視点で内容を確認しています。

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