高槻市の空き家率は9.6%|「その他の空き家」7,150戸と市街地・樫田で変わる空き家対策
高槻市の空き家率は、2023年(令和5年)時点で9.6%です。住宅総数168,900戸に対し、空き家は16,270戸。全国13.8%、大阪府14.2%より低い水準となっています。
ただし、「空き家率が低いから、高槻市では空き家の心配は少ない」とは言い切れません。高槻市では空き家全体の数は2018年より減った一方、賃貸・売却・別荘などの利用目的が決まっていない「その他の空き家」は7,150戸に増えています。
高槻市の記事で面白いのは、空き家率9.6%という数字だけではありません。JR・阪急の駅周辺を中心とした市街地の住宅、北側の山手住宅地、さらに山間部の樫田地区では、空き家の「次の使い方」がかなり違います。
相続した実家や、親御さんが施設へ入居した後の家を考えるときには、市全体の割合だけでなく、その家がどのエリアにあり、道路・高低差・建物・管理・次の使い手をどう考えるかを一軒ずつ整理することが大切です。
- 高槻市の空き家率は2023年時点で9.6%。全国・大阪府より低い水準です。
- 2018年の10.3%から空き家率は低下しましたが、「その他の空き家」は6,110戸から7,150戸へ増えています。
- 戸建ての空き家では、活用予定のない「その他」の割合が90.4%と高く、相続した実家の今後を早めに考えることが重要です。
- 高槻市には「高槻市空家相談員」や樫田地区の空き家情報バンクなど、市独自の制度もあります。
住宅・土地統計調査は標本調査であり、数値は推計値です。また、共同住宅の空室なども「空き家」として数えられるため、空家法上の「空家等」とは定義が異なります。
出典:高槻市「第2期高槻市空家等対策計画」(2026年3月)/総務省「住宅・土地統計調査」
高槻市の空き家率は9.6%|全国・大阪府より低い
| 地域 | 住宅総数 | 空き家数 | 空き家率 |
|---|---|---|---|
| 高槻市 | 168,900戸 | 16,270戸 | 9.6% |
| 大阪府 | 4,928,600戸 | 701,900戸 | 14.2% |
| 全国 | 65,046,700戸 | 9,001,600戸 | 13.8% |
高槻市は、JR京都線と阪急京都線の2路線が通り、大阪方面・京都方面の双方へ移動しやすい住宅都市です。市全体の空き家率を見ると、大阪府平均より4.6ポイント低くなっています。
一方で、高槻市の中でも駅周辺の住宅地、古くからの戸建て住宅地、北部の山間地域などでは住宅の条件が大きく異なります。市全体の9.6%という数字だけで、個別の不動産の売りやすさを判断することはできません。
2018年より空き家率は低下。ただし「その他の空き家」は増えています
| 調査年 | 空き家数 | 空き家率 |
|---|---|---|
| 2008年 | 12,580戸 | 8.2% |
| 2013年 | 16,060戸 | 10.0% |
| 2018年 | 17,020戸 | 10.3% |
| 2023年 | 16,270戸 | 9.6% |
2018年と比べると、空き家数は750戸減り、空き家率も10.3%から9.6%へ下がりました。この点だけを見ると改善しているように見えます。
ただ、空き家の「中身」を見ると別の課題が見えてきます。
| 種類 | 戸数 | 割合 |
|---|---|---|
| 賃貸用 | 8,560戸 | 52.6% |
| 売却用 | 370戸 | 2.3% |
| 二次的利用 | 190戸 | 1.2% |
| その他 | 7,150戸 | 43.9% |
ここでいう「その他」は、賃貸用・売却用・別荘などの二次的利用に当てはまらない住宅です。2018年には6,110戸でしたが、2023年には7,150戸へ増えています。
つまり、高槻市では空き家全体の数はやや減っているものの、「次の使い道が決まっていない空き家」はむしろ増えているということです。
相続した実家は「とりあえず置いておく」が長期化しやすい
実際の相談でも、空き家になった直後は「いずれ家族が使うかもしれない」「荷物を片付けてから考えよう」と、そのまま数年が経つことがあります。
もちろん、急いで売る必要はありません。ただ、誰も住まない期間が長くなるほど、換気不足、漏水、庭木、郵便物、防犯、建物の劣化など、管理する項目が増えていきます。遠方に住んでいる場合は、管理のために通う負担も無視できません。
まだ売却を決めていない場合は、まず空き家管理・見守りの内容を確認し、「いつまで保有するか」を家族で決めておくと整理しやすくなります。
高槻市の戸建て空き家では「その他」が90.4%
高槻市の第2期空家等対策計画では、2023年の空き家16,270戸のうち、戸建てが4,900戸、長屋・共同住宅等が11,360戸とされています。
さらに、戸建て空き家の90.4%が「その他」に分類されています。賃貸募集や売却活動をしている住宅より、「今後の利用目的が決まっていない戸建て」が多いことが分かります。
出典:高槻市「第2期高槻市空家等対策計画」(空き家の建て方別・種類別割合)
古い戸建ては、解体する前に売却方法を比較
築年数が古いからといって、先に解体した方がよいとは限りません。建物付きのまま売る方法、土地として売る方法、買取を利用する方法など、選択肢によって手取りや手間が変わります。
また、相続した空き家では、一定の要件を満たすと譲渡所得の特別控除が使える場合があります。税制については「空き家を売却すると税金が安くなる?3,000万円控除」もあわせてご覧ください。
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老朽化が進んでいる場合でも、自己判断で解体を進める前に、建物の状態と土地の条件を一度確認しておくことをおすすめします。
高槻市ならではの空き家事情|「同じ市内」で考え方が変わる3つの理由
1.市街地と樫田地区では「次の使い手」の探し方が違う
高槻市は、JR高槻駅・阪急高槻市駅を中心とする市街地と、北部の山間地域を同じ市域に持っています。特に樫田地区では、単なる売却支援ではなく、地域活性化と移住・定住を目的にした「樫田地区空き家情報バンク」が運営されています。
この制度は、空き家や建築可能な土地を持つ所有者と、樫田地区へ定住したい人をマッチングする仕組みです。つまり高槻市では、空き家を「中古住宅として市場で売る」だけでなく、地域に新しい住民を呼び込む資源として扱う考え方もあります。
2.高槻市は「水道閉栓データ」で空き家を毎年把握する方針
第2期高槻市空家等対策計画では、水道閉栓データをもとに空家等調査を各年度に実施する方針が示されています。
空き家対策というと、危険な家が出てから対応するイメージがありますが、高槻市は継続的に空き家候補を把握し、実態や傾向を分析して施策につなげる考え方です。
3.約1,400件の中でも「危険度」は大きく違う
2026年9月の市の審議会資料では、第2期計画策定時点で把握している約1,400件の空き家のうち、危険度Aが2件、Bが6件、Cが17件と説明されています。
空き家が1,400件あるからといって、すべてが倒壊寸前というわけではありません。反対に、現時点では大きな問題がなくても、管理を止めれば状態は変わります。
使える家、少し直せば使える家、管理を続ける家、売却を進める家、解体を検討する家。同じ空き家でも、次の一手は違います。
出典:高槻市「第2期高槻市空家等対策計画」 / 令和8年度 高槻市まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会会議録
スペースグリーンは、築古戸建て・長屋を実際に購入し、再生・活用しています
スペースグリーンが空き家について「古いから解体」「売るしかない」と決めつけないのは、実際に築古住宅を購入し、再生・活用してきた経験があるからです。
当社では、築古戸建てやテラスハウスを取得し、建物を残して再生する取り組みも行っています。豊中市城山町では築約55年の戸建てを全面リフォームし、築約55年の文化住宅でも、水回りや床・壁、設備を見直して再生しました。
高槻市の空き家も、まず「残せるか」「誰が使うか」から考える
市街地なら中古住宅として売る方法、築古住宅なら買取や再生、樫田地区なら移住希望者につなぐ方法など、立地によって考えられる選択肢は変わります。
- 仲介で売却:一般の買主を探し、市場価格での売却を目指す
- 不動産会社による買取:築古・残置物・売却時期などの条件を整理しやすい
- 再生して貸す:改修費と家賃、将来の修繕費まで比較する
- 別用途へ活用:住宅以外の使い方も物件条件に応じて検討する
- 管理して残す:家族利用や将来の売却まで状態を保つ
スペースグリーンでは、自社買取、仲介、管理、再生・活用を一方向に決めず、その物件に合う方法を比較します。
空き家・築古住宅の買取について詳しく見る →
空き家再生・活用について詳しく見る →
高槻市の空き家対策|相談制度や樫田地区の空き家バンクも
高槻市空家相談員
高槻市では、2026年9月時点で「高槻市空家相談員」制度を設けています。市の研修を受けて登録された、5年以上の実務経験がある市内の宅地建物取引士に、空き家の管理や売買について無料で相談できる制度です。
高槻市公式:高槻市空家相談員
樫田地区空き家情報バンク
高槻市北部の樫田地区では、空き家や建築可能な土地を、移住・定住を希望する方につなぐ「樫田地区空き家情報バンク」が運営されています。
この制度は高槻市全域の空き家を対象にしたものではなく、樫田地区を対象とする制度です。売買・賃貸が成立した空き家については、条件を満たせば改修等の補助制度を利用できる場合があります。
高槻市公式:樫田地区空き家情報バンク制度 / 樫田地区空き家再生事業補助金
市民団体による「空家見守り」もある
高槻市では、市民公益活動サポートセンターを通じて、遠方などで空き家を見に行きにくい所有者向けに、外観確認を行う団体も紹介しています。
2026年9月時点の案内では、敷地外からの確認は1回2,000円、敷地内からの確認は1回3,000円(税込)で、外観・樹木・ごみ・郵便物などを確認し、写真付き報告書を送る内容です。
高槻市公式:空家見守り業務
木造住宅の除却補助
高槻市には、耐震性が不足する木造住宅の除却工事費を補助する制度もあります。2026年度は対象範囲が拡大されていますが、建築時期や耐震性などの要件があり、工事着手前の手続きが必要です。
「古いから壊す」と先に決めるのではなく、売却価格、解体費、補助制度、税金をまとめて比較したうえで判断すると、選択肢を残しやすくなります。
高槻市公式:木造住宅除却工事補助制度
高槻市の空き家は「売却・賃貸・管理」をどう考える?
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1.売却を考えやすいケース
今後住む予定がなく、管理の負担を減らしたい場合は、まず売却価格を確認してみると判断しやすくなります。相続登記が未了でも、相談の段階では問題ありません。
仲介で時間をかけて売る方法と、不動産会社による買取では、価格だけでなく売却までの期間や片付けの必要性も異なります。詳しくは不動産売却・空き家買取をご覧ください。
2.賃貸・活用を考えやすいケース
建物の状態が比較的よく、今後も所有を続けたい場合は、賃貸や活用が選択肢になることがあります。ただし、リフォーム費用、家賃水準、管理費、空室リスクを確認してから進める必要があります。
活用の考え方は空き家再生・活用でまとめています。
3.しばらく保有するケース
家族の事情ですぐに方針を決められない場合は、無理に売却する必要はありません。その代わり、換気、通水、郵便物、庭木、外壁や屋根などを定期的に確認できる体制をつくっておくことが大切です。
「管理だけお願いしたい」という場合は、空き家見守りサービスの内容・料金・選び方も参考にしてください。
北摂の空き家率も比較できます
スペースグリーンでは、高槻市だけでなく北摂エリアの空き家統計も、公的資料を確認しながら整理しています。
相続、管理、売却、税金など個別のお悩みは、空き家相談Q&Aもご覧ください。管理状態が悪化している場合は、特定空家等とは?指定される条件やリスクも参考になります。
高槻市の空き家でよくある質問
Q.高槻市の空き家率9.6%は、今の数字ですか?
最新の住宅・土地統計調査は2023年(令和5年)です。2026年現在の全戸を数えた数字ではありませんが、自治体の空き家対策や住宅政策で用いられる代表的な統計です。
Q.16,270戸すべてが放置された戸建てですか?
いいえ。賃貸住宅の空室、売却中の住宅、別荘なども含まれます。高槻市では賃貸用の空き家が8,560戸と半数以上を占めています。
Q.古い実家でも売却できますか?
築年数が古いだけで売れないとは限りません。建物を残したまま売る、土地として売る、買取を利用するなど複数の方法があります。接道や再建築の可否、建物状態を確認してから比較します。
Q.荷物が残ったままでも相談できますか?
はい。片付けや解体を先に行わず、現状のままご相談いただけます。売却方法によっては、荷物を残した状態から進められる場合もあります。
Q.売るかどうか決まっていなくても査定できますか?
可能です。将来売るか、しばらく管理するかを考える材料として、現在の価格を確認する方もいらっしゃいます。
高槻市の空き家・相続不動産はスペースグリーンへ
空き家の問題は、単に「売る・売らない」だけではありません。相続した家を残したい気持ち、家族との話し合い、片付け、管理、税金など、いくつもの事情が重なります。
株式会社スペースグリーンでは、豊中市を拠点に北摂エリアの空き家・相続不動産について、売却・買取・管理・活用のご相談を承っています。当社自身が築古戸建てや長屋を購入・再生してきた経験も踏まえ、「そのまま売る」「買い取る」「直して使う」「管理して残す」を比較します。査定・ご相談は無料です。
主な確認資料
・高槻市「第2期高槻市空家等対策計画」
・高槻市「高槻市空家相談員」
・高槻市「樫田地区空き家情報バンク制度」
・高槻市「木造住宅除却工事補助制度」
本記事は2026年9月26日時点で確認できる高槻市の公表資料・審議会資料をもとに作成しています。補助制度や税制には適用要件・期限があります。実際の売却・賃貸・改修等の可否や費用は、物件ごとの調査によって異なります。

