相続した実家は売る?貸す?手残り・税金で比較【豊中市】
SPACE GREEN|相続した実家の判断ガイド
実家を貸せば家賃が入る。その前に、売った場合の手取りも比べてみませんか。親から引き継いだ家を手放すのは、簡単なことではありません。「将来、子どもが住むかもしれない」「貸せば収入になるのでは」。
一方で、古い家を貸すには、入居前の修繕、空室、設備故障、税金、入居者との契約など、賃料だけでは見えない負担があります。
この記事では豊中市・北摂を拠点に売買仲介・買取・賃貸管理・築古住宅の再生を行うスペースグリーンが、売却・賃貸・当面の保有を、初期費用・年間の手残り・将来の選択肢の3方向から比べます。
結論|売却価格と賃貸の手残りで比べる
私たちが先に整理したいのは、「この家にいくらの値段が付くか」だけではありません。現状の売却査定額・想定家賃・貸す前の改修費・毎年の維持費・将来売るときの条件を同時に見ることです。
まとまった資金化と管理負担の解消を重視。売却諸費用・税金・引渡条件も確認。
建物を残して賃料収入を得る選択。初期工事・空室・管理・修繕リスクを確認。
家族の意向がまとまらない時の選択。期間と管理担当を決め、放置しない。
スペースグリーンの視点:「古いから売る」「家賃が入るから貸す」と一つに決めず、まず両方の見積りを取り、同じ物件・同じ期間で比べます。築50年でも再生できる家がある一方、改修負担が重い家もあります。
スペースグリーン式|売る・貸す8項目
私たちが大切にしているのは、単なる「売却価格と表面利回り」の比較ではありません。ご家族が次の一歩を選べるように、同じ家について次の8項目を整理します。ここを埋めると、まだ見積りが必要な部分もはっきりします。
売出し価格だけでなく、見込める成約価格・期間・売却諸費用を分けて考える。
価格差だけでなく、引渡時期・家財・現況の取り扱いを確認する。家財が多い場合は片付け前に確認したい売却方法もあわせてご覧ください。
毎月の希望家賃ではなく、近隣の需要と募集期間を想定する。
給排水・雨漏り・電気・給湯などを確認し、工事見積りを取る。
賃貸中も固定資産税・設備交換・突発修繕の負担が残る。
賃貸後に使えなくなる可能性がある控除を、貸す前に税理士と確認する。
誰が住む可能性があるか、何年後に見直すかを具体的にする。
再建築の可否や建物の傷みは、売却価格にも賃貸投資額にも影響する。
スペースグリーンらしい考え方:実家には、値段にできない思い出もあります。だからこそ「思い出があるから貸す」と急いで決めるのではなく、手元に残したい期間と、現実に必要な費用を一緒に考えます。
相談前にあると役立つもの:固定資産税の課税明細、登記情報、建物の図面、外観・水回り・雨漏り箇所の写真、過去の修繕履歴など。全部揃っていなくてもご相談いただけます。
売却・賃貸・保有は何が違う?
↔ スマホでは比較表を左右に動かしてご覧ください。
| 判断項目 | 売却 | 賃貸 | 保有・管理 |
|---|---|---|---|
| 得られるもの | 売却代金(諸費用・税金控除前) | 入居中の賃料収入 | 将来の居住・売却の選択肢 |
| 先に必要な費用 | 測量・登記・片付けなど、契約条件による | 安全確認、設備更新、必要な改修、募集費など | 点検、保険、草木の管理など |
| 毎年の負担 | 引渡し後の保有負担は原則終了 | 税金・保険・修繕・管理、空室期間 | 税金・保険・管理・修繕 |
| 将来の自由度 | 売却すると所有権は買主へ | 借主との契約により利用・売却条件が変わる | 保有できるが劣化や費用は続く |
| 向くケース | 管理負担を減らしたい、資金化したい | 賃貸需要があり、修繕と管理を続けられる | 利用予定が近い、家族で期限を決められる |
※一般的な比較です。立地、建物状態、契約形態、相続・税務の条件により結論は変わります。
家賃9万円の年間手残りはいくら?
ここが、売るか貸すかで迷ったときの大切な分かれ道です。賃料だけを見ると収入が安定して見えますが、入居者がいない期間や管理費、税金、修繕費を差し引いて考える必要があります。
※計算例は説明用の架空の数字です。豊中市の平均家賃やスペースグリーンの取引実績、収益保証額ではありません。「修繕・募集の備え」は現金を使わず確保する予備費を含みます。実際の所得税・住民税、融資返済、突発的な大規模修繕、家賃下落などは別途検討が必要です。
例えば、貸す前のリフォームに200万円かかった場合、上記の年間61万円が毎年同じように残ると仮定しても、初期費用相当額を取り戻す単純計算は約3.3年。その間に設備故障や長期空室があれば、もっと時間がかかります。
この年間61万円は家計・事業の現金収支を考えるための概算です。税務上の不動産所得では、減価償却費や修繕費と資本的支出の区別などを別に計算します。国税庁の不動産所得の説明も確認してください。
独自試算|5年間の手残りを3パターンで比較
先ほどの年間61万円という条件を5年間続けた場合と、空室期間・初期工事費が変わった場合を比べます。どれも説明用の架空モデルであり、相場や実績値ではありません。
↔ 数字の表は左右に動かしてご覧ください。
| 賃貸シナリオ | 年間の手残り目安 | 初期改修 | 5年間の差引 |
|---|---|---|---|
| 基本|年1か月空室 | 61万円 | 200万円 | +105万円 |
| 慎重|年3か月空室 | 43万円 | 200万円 | +15万円 |
| 工事負担増|年1か月空室 | 61万円 | 400万円 | −95万円 |
計算式:年間の手残り目安×5年−貸出前の初期改修費。空室3か月のケースでは、基本モデルより家賃収入が年18万円減る想定です。手残り目安には修繕・募集のための予備費を先に取り置いた額を用います。所得税・住民税、借入金返済、金利、賃料変動、売却時点の物件価格、追加の大規模修繕費は含みません。
ここが判断の分かれ道です。借主が見つかりやすく、修繕費を抑えられる家なら賃貸に向く可能性があります。反対に、最初の工事が大きい家は、家賃を得られても短期間では改修費を回収できないことがあります。
この差額だけで売却との有利不利は決まりません。売却した場合の手元資金と、5年後に売る場合の資産価値まで合わせて判断します。
売る場合は、売出価格より「手元にいくら残るか」
一方、売却では査定額から仲介手数料、登記・測量・家財整理などの条件ごとの費用、譲渡所得税等を整理します。
賃貸で10年保有した際の収入だけと、今売った金額だけを単純比較するのは適切ではありません。10年後の不動産価格、途中の大規模修繕、借主がいる状態で売る可能性も考える必要があります。
貸す前に確認|3,000万円特別控除
相続した実家を売却する場合、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円(対象となる家屋・敷地等を取得した相続人が3人以上の場合は最高2,000万円)の特別控除を受けられる制度があります。
この制度は、対象となる家屋・敷地について相続から譲渡まで貸付けや居住などに使われていないことが重要な要件です。「いったん貸してから売ろう」と決める前に、特例の対象となる可能性を確認してください。
適用の可否は建築時期、被相続人の居住状況、相続人の人数、売却時期、耐震・取壊し条件などで変わります。
期限の注意:2026年10月時点で公表されている国税庁の案内では、制度全体の譲渡期限は2027年12月31日ですが、個々の相続については「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」という別の要件もあります。すべての相続で2027年末まで猶予があるわけではありません。
制度の適用期間・要件は税制改正により変わり得ます。2026年10月時点では国税庁のNo.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例を確認してください。
より詳しい条件はスペースグリーンの相続空き家の3,000万円特別控除ガイドにまとめています。税額・適用可否の最終判断は税理士・税務署に確認します。
将来売るなら、賃貸借契約にも注意
貸している間も売却自体は可能ですが、借主が住んでいる家を自分の都合だけで空けてもらえるとは限りません。普通借家契約では、貸主からの更新拒絶・解約に借地借家法上の正当事由等が問題となります。
期間満了で更新せず終了する定期建物賃貸借という契約方法もありますが、通常の契約とは異なる書面・事前説明等の要件があります。期間が終われば必ず希望通りに売れるという意味ではないため、貸す前に出口まで設計しておくことが大切です。
参照:国土交通省「定期建物賃貸借Q&A」「民間賃貸住宅」。個別契約に関する法律上の判断は必要に応じて専門家に確認します。
築40年・50年の家|貸す前の確認点
古い家の賃貸では「見た目をきれいにすれば借りてもらえる」と考えがちですが、私たちは次の項目を先に確認します。
雨漏り、床の傾き、給排水管、漏水、電気設備、給湯器、浴室、シロアリなど。見えない部分の改修費が後から大きくなることがあります。
接道、再建築の条件、駐車場の有無、階段・坂、駅や生活施設への距離。売却でも賃貸でも評価に影響します。建替えに制約がある場合の売却判断は再建築不可物件の売却ガイドも参考になります。
家賃だけではなく、近隣にどのような借り手がいるか、賃料を維持できそうか、募集期間の見通しも確認します。
設備故障への連絡対応、修繕手配、家賃・敷金の管理、退去時の精算など。管理会社に委託する範囲と費用を事前に決めます。
「修繕費」と呼ばれる支出でも税務上は一括経費にできず、資本的支出として扱われる場合があります。工事費は税理士にも確認しながら判断すると安心です。国税庁:修繕費とならないものの判定
スペースグリーンの実務事例|貸す・売る
実例1:築約55年の文化住宅を再生して賃貸へ
スペースグリーンでは、築約55年の文化住宅「西本文化」の一室で、水回りや内装だけでなく床・壁の下地も含めた改修に取り組みました。建物を壊すのではなく、使い続けられる状態に近づけた例です。

実例2|引渡し後の居住を調整した相続売却
吹田市江坂では、相続した約56坪の古家付き土地の売却に関わりました。ご自宅に住んでいた売主様が決済日にすぐ退去するのは負担が大きかったため、買主様との合意により、決済・引渡し後も約3か月住める条件を調整しました。
売却の価値は価格だけではありません。住み替えの準備時間や暮らしへの負担を含めて条件を考えることも、私たちの仕事です。
※個別契約の事例であり、すべての売却で同じ条件が可能とは限りません。
※各事例は過去の実務紹介であり、「貸せば必ず利益が出る」「同条件で売れる」ことを示すものではありません。物件ごとに道路・構造・状態・賃貸需要は異なります。
豊中市・北摂で判断が変わる理由
たとえば豊中市の服部天神・庄内周辺と、緑地公園・少路周辺では、住まいの選び方や土地・建物の条件が一律ではありません。
駅徒歩だけでなく、前面道路の幅、敷地形状、駐車のしやすさ、長屋か独立した戸建てかによって、売却のしやすさも貸す際の工事内容も変わります。
大切なのは、市全体の平均家賃や土地単価だけで決めないことです。売買査定と賃料査定の両方を取り、必要工事を整理したうえで比較するのが近道です。地域ごとの違いについては豊中市の空き家総合ガイドも参考にしてください。
思い出のある実家は、すぐ売るべき?
実家のことは、電卓だけでは決められません。仏壇や家財を整理する時間がほしい、兄弟姉妹と気持ちを合わせたい、将来の家族利用を考えたい。そうした事情は、売却価格と同じくらい大切です。
ただ、決められない間も、建物は少しずつ傷み、固定資産税や管理の手間は続きます。
「あと1年は残す」と決める場合には、誰が換気・通水・外まわりの点検をするか、いつ再び家族で話すかを決めておくと安心です。当面の管理・見守りについてもご相談いただけます。
私たちが大切にするのは、契約を急ぐことより、後悔しない順番です。まず建物と土地の状態を知り、売却と賃貸の数字を同じ表で比べる。そのうえで「まだ残す」という結論なら、残すための管理方法まで一緒に考えます。
売るか貸すか決める前の4ステップ
家財や古い設備があっても、先にすべて処分・解体する必要があるとは限りません。現状での仲介と買取の可能性を確認します。
賃料見込みに加えて、入居前に必要な安全面・設備面の工事、募集期間を確認します。
相続空き家の税制、売却期限、共有者の合意、将来の家族利用、普通借家・定期借家の違いを確認します。
賃貸中の追加修繕、空室、売却を考えたときの契約条件を含めて検討し、保有するなら見直し時期を決めます。
よくあるご質問
Q.荷物が残る実家でも、売却・賃貸を相談できる?
はい。まず現状と写真をお聞かせください。売却では引渡条件、賃貸では安全性や内覧・募集のために必要な整理を確認し、処分の範囲を決めます。
Q.賃貸に出してから数年後に売れますか?
借主がいる状態でも売却できる場合はあります。ただし、契約形態や買主の用途によって価格・購入希望者・明渡条件に影響します。貸す前から出口を考えましょう。
Q.築50年の家は、貸すより壊して売るほうがいいですか?
一律には決まりません。建物の状態、接道・再建築条件、修繕見積り、土地としての需要で判断します。詳しくは築50年の家を解体せず売る方法の比較をご覧ください。
Q.実家を貸すと3,000万円控除は使えない?
すべての相続不動産が同じ控除の対象ではありません。対象要件を満たす可能性がある物件では、貸付けによって特例が使えなくなることがあります。貸出しや売却を決める前に税理士へ確認してください。
Q.売るか貸すかを決めていなくても相談できますか?
もちろん可能です。むしろ方針を決める前に、売却査定・想定賃料・改修費を並べる相談が役に立ちます。
SPACE GREEN|豊中市・北摂の不動産相談
売る前も貸す前も、今の家の選択肢を比べませんか。
相続した実家、築年数の古い家、空き家になった戸建て。売却査定だけでなく、賃貸や管理・再生の可能性も含めてご相談いただけます。まだ方向性が決まっていなくても大丈夫です。
無料相談で選択肢を整理する →公的資料・確認先(2026年10月13日確認)
- 国税庁 No.3306:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
- 国税庁 No.1370:不動産収入を受け取ったとき
- 国税庁 No.1379:修繕費とならないものの判定
- 国土交通省:定期建物賃貸借Q&A
- 国土交通省:民間賃貸住宅
本記事は一般的な判断材料を整理したもので、法令・税務・建築の個別判断や金額の保証を行うものではありません。税務は税理士、契約・権利関係は必要に応じて弁護士や司法書士、建築・設備の安全性は有資格者等に確認してください。
売る・貸すを決める前に家の状態も確認
相続した実家に家財が残っている、道路が狭い、境界が分からない場合は、収支比較と同時に売却条件も整理します。家財が残った家の売却、狭い道路と再建築、境界・確定測量も参考にしてください。

